2024年2月7日、群馬県伊勢崎市の2つの公園で、7歳の小学生を含む12人が次々と犬に噛まれ、けがを負った事件がありました。犬は四国犬という大型犬種だったとのこと。
飼い主は取材に応じていましたが、どのような方なのでしょう。犬の管理体制は十分なものだったのでしょうか。
群馬県伊勢崎市 犬の飼い主は?「反省の意思を見せるものの…」
犬の飼い主のプロフィールはこちら。
- 住所…群馬県伊勢崎市
- 年齢…62歳
- 職業…会社役員
取材に対して、飼い主はこのように話しています。
まさか脱走するとは思いもよらず申し訳ない気持ちでいっぱいです
犬が逃げ出せるような環境だったかという質問に対しての返答がこちら。
塀も高いし逃げ出せない状態だと思ってはいたのですが…。実際に逃げ出したので本当に申し訳ありません。
塀が高いとのことですが、どれだけのものなのでしょうか。本当に、運動量が多いとされる四国犬を飼えるような環境だったのでしょうか。
飼い主の犬の管理体制に問題があった可能性
飼い主によると犬の管理体制については以下のようなものだったとのこと。
- 夜は室内で飼っていた。昼間は外に出したりもしていた。
- 自宅でリードなどはつけずに飼っていた。
- 塀は高いため絶対逃げられないと考えていた。
12人を噛んだという犬の体長は130㎝。手足をのばせばもっと長くなるでしょう。
また、四国犬には5タイプ存在し、そのうちの「本川系」は頑強で山岳地帯を疾走できる脚力と跳躍力を持っているとのこと。今回の事件の四国犬がどのタイプに属するのかは分かりませんが、「本川系」でなくともある程度の跳躍力はあると考えられます。
これらのことを考えれば、塀は最低でも2m必要なのではないでしょうか。塀がその高さに達していないのであれば、他に逃げ出さないための環境を整える必要があります。飼い主はそのことを知っていたのでしょうか。
飼い主は四国犬を飼うための環境を満たしていなかった可能性
四国犬は吠えやすく運動量が豊富なことから、飼育には広々とした環境が必要とのこと。犬が人を噛んだとされる西部中央公園付近の様子がこちら。
広々とした公園や田んぼなどの敷地はあるものの、住宅は密集しており、大きな庭をもつ住居はないように見受けられます。
飼い主は犬に十分運動をさせてあげていなかった可能性
四国犬は運動量が多く、力強い犬として知られています。四国犬の1日に必要な運動量がこちら。
運動量が少ないとストレスを感じ、気性が荒くなることがあるそうです。
犬の飼い主は62歳、犬は2歳だということ。もし犬が生まれた当初から飼っていたとしても、飼い始めた時点で飼い主は60歳。60歳男性に1日2回、1時間以上も散歩をさせてあげられる体力があるでしょうか。今回12人もの人を噛んでしまった犬は運動不足でストレスを感じていた可能性もありますね
。四国犬を飼うくらいですから、飼い主は相当な犬好きであると考えられます。しかし、犬好きだからといって必ずしも犬を飼えるとは限りません。自らにその犬を飼う能力があるのか…飼い主はしっかり考える必要があったのかもしれませんね。
【追記】飼い主は犬に狂犬病の予防接種をしていなかった
2月9日、飼い主は12人を噛んだ犬に対し、狂犬病の予防接種を受けさせていなかったことが判明しました。今回事件が起きた伊勢崎市では、犬の飼い主に市町村への登録と、年1回の狂犬病の予防注射を義務付けています。
それにもかかわらず、飼い主は四国犬を7頭も飼い、市役所への登録はそのうちの3頭だけ。この3頭の予防注射の記録はおよそ10年前が最後だということです。
今回犬に噛まれた方やその親御さんにとっては、飼い犬だということでほっとしていたところにこの情報…。衝撃的で飼い主に対しての怒りの気持ちが沸き上がっていることでしょう。
このことを考えると、飼い主は知識不足というよりは四国犬を飼うことに関してもう慣れっこになっていて、管理がなあなあになっていたと捉えたほうがよさそうです。危険だという意識が完全に欠如していますね。
四国犬は多頭飼育に向いていない犬種。今回の12人を噛んだ犬が2歳ということで、この飼い主は犬に不妊去勢手術をせずに飼育していたため、7頭まで増えたとも考えられます。
そうでなかったとしても環境が四国犬にとって不適切だったことは確実。犬はかなりのストレスを抱えていたことでしょう。
【追記】ご近所さんの証言「犬への愛情はあるがピントがずれた飼い主」
飼い主のご近所さんによる証言によると、飼い主は感じのいい方で、四国犬を飼っていることに関して周囲への気遣いもあったとのこと。ご近所さんによると飼い主は以下のような対策をしていたそうです。
- 犬が増えたり大きくなるにつれて、塀を高くしていた
- 外壁はかなり高いフェンスで、カンガルーくらいジャンプ力がないと飛び越えられない
- 普段はゲージに入れていて、夜は家で過ごしていた
- 犬たちが鳴いているのをよく聞いたが、それでストレス発散のために庭に出したりしてた
- 塀に『猛犬がいるから気をつけて』という注意書きの張り紙を貼っていた
- 柵から犬が顔を出せないようにしていた
- 散歩は早朝5時頃と20時頃。他の家の犬と散歩時間がなるべく被らないようにしていた
- 散歩の際にはリードをし、人と道ですれ違うことがあれば、犬を立ち止まって抑えて『どうぞ』と道を譲っていた
これだけしているのを見れば、確かに飼い主が犬をしっかり管理しようとしていとことが感じられますね。犬に対しても「仕事より何より犬が大事な人」とご近所さんが証言する程に深い愛情も持っていたようです。
ご近所さんによると、飼い主は現在憔悴しきっているとのこと。「最初は1匹、2匹で、そのうちだんだん増えた。あまり後先を考えていなかったのかも」「ちょっと抜けたところがある人で」との声も上がっています。
好きだとしても飼育環境が犬にとって適切か、ということはしっかり考えて飼う必要があります。また、飼い主は狂犬病の予防接種をしていないとのこと。犬への愛情があったのであれば、その対策もしっかり行ってほしかったですね。
コメント